イラストにあるように、障がい福祉サービス事業開業のための物件を早めの段階で購入検討する事業所は少なくありません。
ただし、サービスの種類によってはその建物を「用途変更」する必要があります。
用途変更とは・・・
既存の建物の用途を別の用途に変更(転用)することを「用途変更」といいます。
例えば、現在の用途が「一般住宅」となっている建物を、通所系サービス事業所にする場合、「一般住宅」から「特殊建築物」に用途を変更する必要があります。
特殊建築物って?
特殊建築物とは、建築基準法において、一般の建物よりも強い制限を課された建築物で、以下のものが該当します。
- 劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂、集会場
- 病院、診療所(患者の収容施設があるもの)、ホテル、下宿、共同住宅、寄宿舎、児童福祉施設等(幼保連携型認定こども園を含む)
- 学校、体育館、博物館、美術館、図書館、ボーリング場、スキー場、スケート場、水泳場、スポーツの練習場
- 飲食店、物品販売業を営む店舗、百貨店、マーケット、展示場、キャバレー、カフェー、ナイトクラブ、バー、ダンスホール、遊技場、公衆浴場、待合、料理店
- 倉庫
- 自動車車庫、自動車修理工場、映画スタジオ、テレビスタジオ
【建築基準法別表1より】
確認申請
さらに、その建物の床面積が200㎡(およそ60.5坪)を超える場合、「確認申請」の手続きも必要となります。
建築確認申請は、本来新しい建物を建てるときに必要な申請であり、その建物が建築基準法やその他の各種条例を守っているかどうかを判断する審査となります。
この「確認申請」や「用途変更」には大幅な期間と費用を要す場合があります。工事を要する場合は、数カ月単位となり、費用もかなりのものとなるでしょう。
*なお、市街化調整区域内で、障がい福祉サービス事業、介護保険事業を行うことは原則できません。(デイサービスを除く)
最後に
物件を確定する前に、その地域を管轄する各窓口に事前相談を行いましょう。
向かうべき窓口は以下の通りです
①指定権者
②建築課
③消防署
①指定権者とは、指定を申請する自治体のことです。こちらでは、おおまかな指定要件の確認を行います。
②建築課では先述した用途変更・建築の確認申請等の有無の確認を行います。
③消防署では必要な消防設備の確認を行います。
これらの事前相談を行うことで、予期せぬ工事や費用を把握することができ、物件の購入又は賃貸契約を見送り、他の物件を探すこともできます。
ぜひ物件の購入又は賃貸契約前に図面をもって事前相談を行って下さい。