障害福祉サービス事業にまつわるおカネと市場について

広島の障害福祉サービス事業専門行政書士が障害福祉サービス事業のおカネ事情と市場についてご案内します。


(1)利用者の負担額について


障害福祉サービスを利用した方はサービス費の1割を負担するのが原則ですが、表のように負担上限額があります。

 

区分 世帯の収入状況

負担上限月額

生活保護

生活保護受給世帯

0円
低所得

市町村民税非課税世帯

 

*3人世帯で障害者基礎年金1級受給の場合、収入が概ね300万円以下の世帯が対象

0円

一般1

 

市町村民税課税世帯

(成人の場合)
所得割16万円未満

 

*収入が概ね670万円以下の世帯が対象になります。

入所施設利用者(20歳以上)及びグループホーム利用者を除きます。

9,300円

  (障害児の場合)
所得割28万円未満

 

20歳未満の入所施設利用者を含みます。

*収入が概ね920万円以下の世帯が対象となります。

通所・ホームヘルプ    

4,600円

 

入所

9,300円

一般2

上記以外

37,200円

(2)サービスの給付費について


利用者が負担しない残りのサービス費(サービス費の9割もしくはそれ以上)は税金を原資に国・都道府県・市町村が分け合って負担しています。

 

一般的には図の⑤と⑧のように事業者は利用者に変わって行政から委託されているの国民健康保険団体連合会(略して「国保連」)へ報酬を請求し給付費を受領します。(これを理受領」といいます。)

 

この給付費が配分されるのは2ヶ月遅れではありますが、このように事業者は、利用者の負担上限を超える報酬を国保連に請求できるため未収のリスクは極めて少ないです。

 

障害福祉は儲かる・安定だと誤解されことが多いですが、この未収リスクが極めて少ないことを前面に押し出したコンサルが多いことが原因のひとつであると思われます。


(3)市場と動向


【厚生労働省資料 第141回障害福祉サービス等の最近の動向についてより】

これは国の障害福祉サービス事業に対する予算のグラフです。

 

前述のとおり、障害福祉サービス事業の9割は税金で賄われており、その半分が国から支払われ、残りの半分を都道府県と、市区町村が負担しています。

このグラフからその年度の市場規模が想定でき、2025年は5.5兆円規模とも言われています。

  

コロナ禍でのホームセンターの市場規模が3.3兆円と言われていたのでこの数字はそれなりに規模が大きいと感じることができるのではないでしょうか。 そして今後さらに市場は拡大すると思われます。

 

障害の定義の拡大、精神障害の方の増加、医療の発達によりこれまで助からなかった命が助かり障害を抱えて生活を継続する人が増えると予測されるからです。


(4)業界が抱える課題


それでは、事業所を開設すればサービスを必要とする方が自ずと集まるから事業の未来は明るい・安定かといえばそうでもありません。

 

人材不足

・人口不足による財源不足

・業務の年々複雑化

・事業者を悩ませるローカルルールの存在

3年に1度の報酬改定

 

これらが常につきまとってくるため事業所の運営は容易ではありません。

弊所はこのローカルルールや業務の複雑化、3年に1度の報酬改定をサポートしています。

人員・運営・報酬に関する基準がよくわからない、届出に手が回らないなどサポートを必要とされている事業者さまは広島の障害福祉サービス専門行政書士事務所つしままでご相談ください。